読書感想文の書き方高校生編。スラスラ書けるコツを例文付きで解説!

高校生のための読書感想文の書き方講座

机に座って勉強中の女子高生の写真高校の課題の定番、読書感想文。

何を書けばいいかわからず、苦手にしている高校生も多いでしょう。

課題本を読んでも、特に面白いとも思わないし、感想なんて特にない…

それでも感想文は書かなければいけない。

でも、書けない!

そんなあなたに、作文や小論文が苦手な人でもスラスラ書けてしまう、読書感想文の書き方を公開します。

本と原稿用紙とにらめっこしたまま、時間だけ経ってしまうという人は、ぜひ試してみてください。

ここで教える書き方とテクニックを使えば、読書感想文なんて簡単!です。

こんな読書感想文は評価されない

読書感想文の書き始める前に、多くの高校生がやってしまう、読書感想文の悪い例を知っておきましょう。

感想文は、こんな書き方をしてしまうと評価をもらえません。

  • 大半が本のあらすじで終わっている、あらすじ紹介文
  • 本を読まなくても書ける一般論や常識しか書いていない感想文

ストーリーの要約だけで終わってしまう、あらすじ紹介文は、感想文が苦手な人がよくやってしまうこと。

もうひとつの悪い例は、「あきらめずに努力することは大切だ」「友情はかけがえのないものだ」など、本を読まなくても言える意見しか書いていない感想文。

これも、本を読んでの感想が思い浮かばないと、苦し紛れにやってしまいがちですね。

 

でも、こうした感想文は、高校であまり良い評価はもらえません。

学校や先生が読書感想文を課題に出す目的は、あらすじや一般論を聞くことではないからです。

こんな読書感想文では評価されない!あらすじをまとめただけのあらすじ紹介文 本を読まなくても書ける一般論、常識を述べただけの感想文

あらすじも一般論もダメ。

ならば、いったい読書感想文って、何のために書かせているんでしょうか…?

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読書感想文を書かせる目的とは

高校で読書感想文を書かせる目的は、本の内容から課題やテーマを見つけ、それについて考察してもらうこと。

本が面白かった、つまらなかったという、単純な感想や本のレビューを聞きたいわけではないのです。

読書感想文を書かせる目的は…本から自分なりの課題を見つけ、意見を述べたり考察する力があるかどうかを見ている 本が面白い、つまらないという単純な感想が求められているのではない!

国語の読解テストでは、その文章をどれだけ理解できているか、文章の意図を正しく読み取れているかを試すために、登場人物の気持ちや文脈の意味について問われますね。

読書感想文も、やろうとしていることはこの読解テストと同じ。

 

ただし、国語のテストは答えが決まっていますが、感想文には決まった正解はありません。

あなたが自分で問題を考え、自分で答える。

そう思うと、なんだか書けそうな気がしてきませんか?

 

では、どうやって本の内容から問題を作ればいいのか。

この次からは、いよいよ具体的な読書感想文の書き方を解説していきます。

ぜひ、紙とペンを用意して、実際に手を動かしながら読み進めてくださいね!

読書感想文を書く前の準備

読書感想文を書く時、いきなり原稿用紙に向かって文章を書き始めようとしていませんか?

それで書けるならいいのですが、多くの人は書き出しからつまづいたり、次に何を書けばいいのか悩みながら、ずいぶん時間をかけて感想文を書くハメになっているはず。

 

実は読書感想文は、書く前の準備が肝心。

これから説明する方法で、読書感想文の下書きメモを作ってみましょう。

下書きメモとは、あなたが読んだ本について「人物」「出来事」「変化」の3つの要素を書き出したメモ。

これを準備しておくと、驚くほど簡単に、スラスラと読書感想文が書けるんですよ。

読書感想文のテーマを決める3つの要素!人物×出来事×変化 読書感想文を書き始める前に、下書きメモを作っておこう!

この下書きメモを作る時には、本を読み返す必要はありません。

大切なのは、本を読み直すことではなく、あなたの頭の中に残っているものを拾い上げること。

本の内容を思い出して頭に浮かんだことを、ササッと書いていけばOKです。

では、実際に下書きメモの作成を進めていきましょう。

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(1)人物を選ぶ

登場人物の中から、あなたが最も印象に残った人物を選んでください。

好きな人物でもいいし、嫌いな人物でもかまいません。
良くも悪くも、強い印象が残った人物を選びましょう。

人数は1人でも、2人以上でもOK。

特に気になる人物がいなかった場合は、とりあえず主人公か、ストーリー上の重要人物を選んでおきましょう。

(2)出来事を選ぶ

人物を選んだら、次にその人物に関わる出来事を書き出します。

これも、数は何個でもかまいません。

選んだ出来事の中で印象に残った言葉や場面があれば、それも一緒にメモしておきましょう。

(3)変化を考える

最後に、ここまでに選んだ人物と出来事に関して、物語の最初と最後で変化したことがないかを考え、メモしてください。

人物の性格、考え方、行動、精神状態、他の人物との関係、立場、住んでいる場所…

物語の始まりと終わりで変わったものが、必ず何かあるはずです。

どんなものでもかまわないので、変わった点を考え、思いついたものをすべて書き出しておきましょう。

 

人物、出来事、変化。
3つの要素の書き出しはできましたか?

実際の下書きメモの作成例を用意したので、今ひとつピンと来なかったという人は、こちらを参考にチャレンジしてみてください。

下書きメモの作成例

夏目漱石の「こころ」の読書感想文を書くための、下書きメモの作成例です。

※こころを読んだことのない人は、こちらであらすじが確認できます。

「こころ」のあらすじはこちら≫


●印象に残った人物

先生の奥さん

●印象に残った出来事
主人公と奥さんが2人で会話する場面
奥さんが、自分は先生を幸せにできると言った台詞
先生の自殺

●変化
奥さんの夫である先生が生きていた→亡くなった

あくまでもメモですから、このくらい簡単なものでかまいません。

思いついたことや、本の内容を思い出してパッと浮かんだものを、どんどんメモしていきましょう。

 

下書きメモが完成したら、次はこのメモをもとに実際の感想文を書いていきます。

文章が書ければ、感想文だって苦労しないよ、と思うかもしれませんが、下書きメモを作るところまでできていれば大丈夫。

次で教えるテクニックを使えば、作文が苦手な人でも、簡単に読書感想文が書けますよ。

読書感想文を書く

それではいよいよ、読書感想文を書いていきましょう。

書き出しから最後の締めまで、どんな風に感想文を書いていけばいいのかを、順番に解説します。

読書感想文の書き出しパターン

原稿用紙に向かってはみたものの、書き出しが思い浮かばなくて進まないということ、多いですよね。

読書感想文の書き出しは、次の3つのパターンを覚えておけば苦労しません。

  • その本を選んだ理由から書き出す
  • 印象に残った人物から書き出す
  • 印象に残った言葉、台詞から書き出す

課題図書が決まっておらず、自分で本を選んで感想文を書く形式だった場合は、本を選んだ理由から書き出すと簡単。

例えば、下書きメモの例に使った、夏目漱石の「こころ」であれば、こんな風に書き出すことができます。


私が夏目漱石のこころを選んだ理由は、こころが100年以上も読み継がれていると聞いて、そんなに長い間読まれる物語とは、いったいどんな内容なのだろうかと知りたかったからです。

感想文の課題図書が決まっていた場合は、印象に残った人物や言葉から書き出しましょう。

下書きメモに書いた内容をそのまま書けばOKなので、簡単ですね。


私が夏目漱石のこころで最も印象に残った人物は、先生の奥さんです。

読書感想文の書き出しパターン3つ 本を選んだ理由から書き出す 印象に残った人物から書き出す 印象に残った言葉、台詞から書き出す

書き出しの次は、あるテクニックを使って、文章を展開していきます。

なぜ→もし→だから、で文章を展開する

読書感想文を書く時は、「なぜなら→もし自分なら→だからこう思う」という順番で文章を展開しましょう。

なぜ→もし→だから、で展開しよう!なぜなら→もし私なら…→だから、こう思う

例えば、先ほどの書き出しで使った一文を、この順番で展開すると、こうなります。


私が夏目漱石のこころで最も印象に残った人物は、先生の奥さんです。

なぜなら、先生の1番そばにいたのに、先生の死の理由を知らない人物だからです。

もし私だったら、自分の夫が何も言わずに死を選んだら、背景にどんな理由があろうと、夫を理解することも許すこともできないと思います。

だから、奥さんは作中での出番は少ないけれど、私にとっては先生の死後、彼女がどうなったのか、最後が最も気になる人物でした。

なぜ→もし→だから、の順に書くことで、自分の意見と本のあらすじ、両方が自然に盛り込まれた文章が書けました。

あとはメモに書いた内容を、同じ要領で展開していけば、下書きメモから立派な読書感想文が完成します。

次に紹介するポイントを押さえると、最後もきれいにまとまります。

最後は自分自身の変化を述べて終わる

感想文の最後は、本を読む前と後で、あなた自身に変化のあったことについて述べましょう。

例えば、こんな変化が考えられます。

  • 本に対する印象の変化
    →タイトルから想像していた話とまったく違っていた、興味がなかったが読んでみたら面白かった
  • 登場人物に対する印象の変化
    →最初は嫌いだった人物がいたが、その人物の行動の理由がわかったら逆に好きになった
  • 自分の気持ちの変化
    →人前で意見を言うのが苦手な自分だが、主人公のように自分の気持ちをまっすぐ表現できるようになりたいと思った

本への印象、登場人物への印象、あなた自身の考え方や気持ちなど、本を読む前と後で変化したものが、必ず1つはあるはずです。

その変化こそが、あなたが本から得た気付きであり、読書感想文に求められているもの。

さまざまな角度から、本に対するビフォーアフターを考えてみてください。

 

では最後に実例として、先ほどのこころの下書きメモを、今までに紹介したテクニックを使って感想文に展開してみます。

下書きメモからの感想文展開例


私が夏目漱石のこころを読んで印象に残った人物は、先生の奥さんです。

なぜなら、先生の最も近くで、最も長い時間を一緒に過ごしていながら、先生の死の理由を知らない人物だからです。

もし私だったら、自分の夫が何も言わずに死を選んだら、背景にどんな理由があろうと、夫を理解することも許すこともできないと思います。

それに、先生が生きていた時も、急に人が変わり、何年も仕事もせずにいる夫のことを、奥さんのように静かに見守ることは、とてもできません。
きっと、先生を問い詰めたり責めたりしてしまうに違いありません。

でも、奥さんは主人公との会話の中で、先生への思いを問われた時に「私は今先生を人間としてできるだけ幸福にしているんだと信じていますわ。どんな人があっても私ほど先生を幸福にできるものはないとまで思い込んでいますわ。それだからこうして落ち付いていられるんです」と、言い切りました。

先生と喧嘩をする場面もありましたが、それも自分に悪いことがあれば言って欲しいという訴えであって、先生を責めるものではありません。

普通の女性だったら十中八九、怒るか泣くかしそうなものなのに、先生を信じ、自分自身の気持ちも揺らがない奥さんは、きっと強い女性なのだろうなあと思いました。

だから、作中での出番は少ないのにも関わらず、先生の奥さんは、私には印象深い人物でした。

それだけに、先生が奥さんに、最後まで一切の事情を話すことなく自殺したことには納得できません。

結局先生は、自分の罪と向き合うことから逃げてしまったのではないでしょうか。

先生が罪を犯したのは、もとはといえば、まだ女学生だった奥さんへの恋心がきっかけです。

でも、長い年月を過ごすうちに、奥さんを思う気持ちより、罪を重く感じる気持ちのほうが大きく育ってしまって、それを一生背負って生きていくことに耐えられなくなったのではないかと思うのです。

主人公にだけは事情を話したのも、私には懺悔して許されたい、罪から解放されたいという気持ちの表れのように見えました。

人生において、相手を思うからこそ話せないことがあったり、優しい嘘が必要な場面はあるのかもしれませんが、それでも、大切な人を悲しませることだけは絶対にしたくない。
私は、こころを読んで強くそう思いました。

下書きメモをもとに、原稿用紙約2枚分の読書感想文が書けました。

  • 「なぜなら→もし私なら→だからこう思う」で文章を展開する。
  • 最後は本を読む前と後で、変化したことについて述べる。

この2つのポイントに気をつけるだけで、今までよりも格段に感想文が書きやすくなるはずです。

原稿用紙に何時間向かっても、何も書くことが出てこない…という人は、ぜひ一度、この書き方を試してみてくださいね。

高校生のための読書感想文の書き方まとめ

それでは最後に、高校生のための読書感想文の書き方のポイントをまとめます。

  • 読書感想文は、本のあらすじや、本を読まなくても言えるような一般論・常識を書くものではない
  • 本から自分なりの課題を見つけ、考察することが読書感想文を書く目的
  • 感想文を書き始める前に「人物」「出来事」「変化」の3つを書き出した下書きメモを作成する
  • 書き出しは、本を選んだ理由、印象に残った人物、印象に残った言葉の3パターンから選ぶと良い
  • 下書きメモをもとに「なぜ→もし→だから」で文章を展開する
  • 最後は、本を読む前と後の自分自身の変化について述べる

読書感想文というと、自分が感じたことを書かなければいけない、というイメージがありますが…

必ずしも、本の登場人物に共感できたり、ストーリーを面白いと思うわけではないですよね。

その状態で感想を書こうとすると、なかなか言葉が出ないものです。

でも、本の中のビフォーアフター、本を読んだ自分のビフォーアフターを探すものだと考えて取り組めば、今までより楽に感想文を書くことができるはず。

また、ここで紹介した「なぜ→もし→だから」のテクニックは、読書感想文だけではなく、小論文を書く時にも応用できます。

作文が苦手な人も、ぜひ一度、この方法で感想文を書いてみてください。