豪華な食事が1番の特徴、曹洞宗の盆飾り

食事も仏教修行と考える、曹洞宗の盆飾り

精進料理の写真あの世から帰ってくる霊を迎える、お盆の時期。

さまざまなお供え物で帰ってきた霊をもてなす風習がありますが、このお供えや盆飾りも、実は宗派によって違いや特徴があります。

このうち、食事に大きな特徴がある、曹洞宗の盆飾りについて説明しましょう。

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曹洞宗の盆飾り&お供え物の飾り方

まだこちらの世界に未練のある故人が帰ってくるので、家族でおもてなしをするというのが曹洞宗の盆飾りの趣旨。

本尊や曹洞宗の祖として仰がれている道元と瑩山(けいざん)の像は、仏壇の中に置いたままにします。

彼らはもうこちらの世界に未練はなく、お盆の時期だからといって帰って来たりしないと考えられているためです。

本尊や道元と瑩山の像へのお供えはお盆でも特別なものは用意せず、普段どおりです。

一方、あの世から帰ってくるであろう家族については、お盆用の準備をします。

まず、位はいだけを取り出して、仏壇の一番前か、仏壇の前に置いた座卓の一番奥に置きます。

盆飾りの提灯は仏壇の両脇に置き、位はいの前に季節の野菜と果物、そしてそうめんを供えましょう。

通常、お盆に麺類をお供えする時は、ご先祖さまが食べられるよう、茹でた状態でお供えしますが、このそうめんは帰りにお土産として持って行ってもらう用なので、乾麺のまま供えます。

ご先祖さまの乗り物になる、キュウリとナスで作った精霊馬もここに飾りましょう。

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お供えの食事にこだわりがあるのが、曹洞宗の特徴

曹洞宗では食事も仏教修行のひとつだと考えます。

曹洞宗を始めた道元は、食べたいものを我慢するのではなく、食べられる野菜を工夫して、どうしたら栄養価が高くて見た目も美しい、おいしい食事ができるかを研究しました。

そのため、曹洞宗の修行道場にはシェフにあたる典座(てんぞ)という役職があるほど。

そんな曹洞宗の盆飾りでは、お供えの食事にもこだわりがあります。曹洞宗のお盆のお供え方法を紹介しましょう。

仏壇の前に置いた机の一番手前に真菰(まこも)のゴザを敷き、木製の平たいおぼんの上に並べます。適当なおぼんがなければ、ランチョンマットのような布でも大丈夫。

これを帰ってくる人数分用意します。

普通のお盆用のお膳セットは漆器かプラスチック製ですが、曹洞宗の盆飾りでは素焼きの小皿を使います。この小皿のことを「かわらけ」といいます。

箸は迎え火や送り火で使う「おがら」を適当な長さに折って作ります。

食事の献立は、浄土から帰省する人向けの食事ですから、基本は私たちが食べているものと同じです。

ただし、魚や肉、ニンニクやねぎは使いません。お肉が使えなくても、お新香、昆布だしのみそ汁、野菜の煮物やてんぷら、冷ややっこ、羊かんなど、意外と豊富な和食メニューが作れますよ。

食事は一日三食に加え、午前午後のおやつも準備します。

お盆の最終日には、夕方5~7時ごろに盆飾りとしてお供えしていた果物やそうめん、精霊馬とお土産用の白団子をテーブルに敷いていたゴザにくるんで川や海に流します。

これが精霊送りです。

近年は、環境への配慮から川に流すのではなく、寺院に納めて供養をしてもらうこともあります。近くに縁のお寺があれば、精霊送りをしているかどうか確認してみるといいでしょう。

盆飾りは宗派によっていろいろな形式がありますが、食事の豪華さでいえば、曹洞宗が1番。おやつにお土産までついていますから、ご先祖さまも、きっと満腹でお帰りになることでしょうね。