オズの魔法使いの詳しいあらすじ&かかしや木こりが迎えた結末
オズの魔法使い
世界中で愛されるファンタジー童話「オズの魔法使い」。
オズの国に迷い込んだドロシーが、ブリキの木こりやかかし、ライオンと共に旅をするお話です。
…が、オズの魔法使いってどんなストーリーなのか、ドロシーやかかしたちはどんな結末を迎えたのか?
意外と知らなかったり、うろ覚えだったりしますよね。
映画やゲームのモチーフとしても愛される、オズの魔法使いのあらすじを紹介します。
オズの魔法使いの主な登場人物
まずは、オズの魔法使いの主な登場人物と、彼らが迎えた結末を紹介します。
オズの魔法使いのおおまかなストーリーや結末だけなら、ここを読むだけでもわかります。
もっと詳しいストーリーを知りたい人は、この後で紹介する、詳しいあらすじを合わせて読んでくださいね。
※人物名をクリック・タップすると、詳細が開きます。
ではここからは、オズの魔法使いの詳しいあらすじを紹介していきます。
オズの魔法使いが出版された当時のレトロな挿絵と一緒に、オズの世界を楽しんでください!
オズの魔法使いのあらすじ
ドロシーは、ヘンリーおじさんとエムおばさん、黒い子犬のトトと一緒にカンザスで暮らす少女です。
ある日、ドロシーはカンザスを襲った竜巻に家ごと飛ばされてしまい、オズの国に着地しました。
ドロシーが家から出ると、そこは灰色の大地が広がるカンザスではなく、見たこともない美しい国でした。
北の魔女とドロシーの旅立ち
家から外に出たドロシーを出迎えたのは、マンチキンという小柄な種族の人々と、北の魔女でした。
マンチキンを奴隷にしてこの地を支配していた邪悪な魔女が、ドロシーの家の下敷きになって死んだらしく、マンチキンたちはドロシーを、魔女を倒した偉大な魔術師さまとして歓迎しました。
オズの世界は美しく、マンチキンたちは陽気で親切でしたが、ドロシーはカンザスに帰りたくてしかたありません。
そんなドロシーに、北の魔女は、エメラルドの都にいる大魔法使いオズに会えば、きっと助けてくれると助言します。
そして、東の邪悪な魔女が残していった銀の靴を与え、おでこには魔女のキスを授けてくれました。
オズの世界では、北の魔女のキスを受けた人は誰も傷つけることができないのです。
こうしてドロシーは、マンチキンと北の魔女に見送られ、銀の靴を履いて、エメラルドの都へ旅立ちました。
脳みそをもらって賢くなりたい、かかし
エメラルドの都まで続く黄色いレンガ道を進むドロシーは、道の途中で喋るかかしと出くわしました。
ドロシーが棒に刺さって動けないかかしを降ろしてあげ、オズに会いに行くという話をすると、かかしは自分もオズに脳みそをもらいたいと、ドロシーの旅に同行します。
頭の中にワラしか詰まっていないかかしは、脳みそがあれば賢くなれると思ったのです。
こうしてドロシーは、かかしと一緒に、さらにレンガ道を歩き続けました。
心が欲しいブリキの木こり
夜を明かすために見つけて立ち寄った丸太小屋の近くで、ドロシーたちはブリキの木こりに出会います。
木こりは関節がすっかり錆びてしまい、動けなくなっていたのでした。
ドロシーが関節に油を差してあげると、木こりは再び動けるようになり、心が欲しいから自分もオズに会いに行くと言います。
ブリキの木こりは、もとは人間でした。
美しいマンチキンの娘と結婚の約束をしていましたが、娘をいつまでも働かせようとする老婆が2人の結婚を邪魔しようと、東の魔女に頼んで木こりの斧に呪いをかけたのです。
呪われた斧は木こりの体を次々と切り落とし、木こりは切り落とされた体をブリキで補ううちに、とうとう全身がブリキになってしまったのでした。
体までブリキになった木こりは、心がなくなったので娘への愛情がなくなってしまいました。
木こりは、オズに心をもらったら、きっと今も自分を待っているであろうマンチキンの娘に会いに行けると思い、ドロシーたちに合流したのです。
ブリキの木こりを加えた一行は、さらにレンガ道を進みました。
臆病なライオン
一行がレンガ道を歩いていると、森からライオンが飛び出して襲い掛かってきました。
ドロシーはライオンを引っ叩き、そんなに大きくて強い動物なのに、小さなトトに襲いかかるなんて臆病者だと叱りつけます。
するとライオンは、自分は百獣の王と呼ばれるのにとても臆病で、そのおかげでとても不幸だと嘆きました。
オズの話を聞くと、自分は勇気をもらいたいと、ライオンもドロシーたちの旅に加わります。
ライオンを加えた一行は、みんなで力を合わせて進みます。
カリダという恐ろしい獣が住む場所では、大きな地割れに遭遇しましたが、かかしが木を切り倒して橋にすることを提案し、木こりが橋を作って渡りました。
橋を渡ったところでカリダが現れましたが、ライオンは命ある限り戦ってみせると、カリダの前に立ちはだかります。
ここでかかしが機転をきかせ、木こりに頼んでカリダが乗った橋ごと斧で落とし、一行は無事に旅を続けることができたのでした。
眠りのケシ畑と野ネズミの女王さま
一行は、美しい深紅の花を咲かせるケシ畑に差し掛かりましたが、この赤いケシは、香りを吸い込むと眠ってしまい、目覚めることはない毒の花でした。
体の小さなトトとドロシーは、途中で倒れて眠り込んでしまいます。
毒の影響を受けないかかしと木こりがトトどドロシーを運び、ライオンは全力でケシ畑を走り抜けようとしましたが、力及ばず眠ってしまいます。
ライオンの体は大きく重く、かかしと木こりでも運べません。
泣く泣く先を進む一行の前に、山猫に追われる野ネズミが現れます。
木こりが斧を振るって野ネズミを助けると、その野ネズミは何千匹ものネズミたちを治める女王さまでした。
恩返しをしたいというネズミたちに手伝ってもらって、ケシ畑のライオンを救出、再びみんなで旅を続けることができました。
エメラルドの都に到着
レンガの道を進み、いよいよエメラルドの都に到着したドロシーたち。
エメラルドの都は、大理石とエメラルドで作られた、まばゆく輝く都でした。
さっそくオズの宮殿に行きますが、オズは願いを叶えて欲しいのなら、代わりに西の邪悪な魔女を倒すようにと言ってきます。
そうして一行は邪悪な魔女に支配されている、西のウィンキーの国へ旅立つことになったのでした。
西の魔女との戦い
ドロシーたちに気付いた西の魔女は、オオカミやカラスにドロシー一行を襲わせますが、頼もしい仲間たちが撃退してくれました。
しかし、業を煮やした西の魔女が、魔法の金の帽子の力で呼び出した翼ザルたちによってドロシーは捕まってしまい、仲間と離れ離れになってしまいます。
北の魔女のキスに守られているドロシーを傷つけられない西の魔女は、ドロシーに台所の下働きをさせていましたが、ある時、ドロシーが履いていた銀の靴を奪い取ろうとして、怒ったドロシーに水をかけられます。
すると、実は水が弱点だった西の魔女はドロドロに溶けて死んでしまいました。
西の魔女を倒したドロシーは、手先の器用な種族、ウィンキーたちを解放、彼らの力を借りてバラバラになっていた仲間を助け、全員でエメラルドの都へと帰ることができました。
オズの正体
オズの交換条件を達成して都に帰ったドロシーたちを待っていたのは、オズの真実でした。
オズはドロシーのようにオズの世界へ流れ着き、人々に大魔術師と勘違いされただけで、実は偉大な魔法使いでもなんでもない、ただの人間だったのです。
魔法が使えないオズは、本物の魔力を持つ邪悪な魔女をとても怖れ、そのため魔女を倒すことを交換条件に出していたのでした。
オズは、かかしが賢く、木こりに心があり、ライオンが勇敢なことを知っていたので、彼らの願いを聞く必要はないと思いましたが、3人は願いを叶えてくれと聞き入れません。
そこでオズは一計を案じ、彼らに作り物の脳みそや心を与えて、自信を持たせてあげました。
いまだオズの魔法を信じている3人は、オズが願いを叶えてくれたことに満足し、自分たちの脳みそ、心、勇気にすっかり自信を持つようになりました。
けれど、カンザスに帰りたいというドロシーの願いだけは、気持ちの問題ではどうにもできません。
オズは考えた末、ドロシーと一緒に気球を作り、かかしを自分の後任に任命して、自分も一緒にオズの国を出ようとします。
気球は無事に完成しましたが、気球の出発直前、いなくなったトトを探していたドロシーは気球に乗りそびれてしまいます。
オズは1人で去ってしまいました。
再び帰る術を失ってしまったドロシーは、かかしの発案で、南の善き魔女グリンダを訪ねることにし、南の魔女が治めるカドリングの国へ旅立ちます。
南の魔女グリンダのもとへ
動く木や、陶器のお人形たちの国を超えたドロシーたちは、岩だらけの場所に出ます。
そこには腕がなく頭の大きい奇妙な人々がいて、体当たりでドロシーたちの行く手を阻みました。
これ以上進めないかと思われましたが、ドロシーが西の魔女の城で手に入れた金の帽子の魔法を使い、翼ザルたちを呼び出すことで、一行は無事にカドリングの国に到着。
宮殿で面会した南の魔女グリンダは、純白のドレスをまとい、豊かな赤い髪と青い目を持つ美しい女性でした。
グリンダは、ドロシーが持っていた金の帽と引き換えに、ドロシーがカンザスに帰る方法を教えてくれると言います。
ドロシーは、もちろん喜んで帽子を渡しました。
でも、金の帽子の魔法は、1人の持ち主が3回しか使えません。
ドロシーがそう言うと、グリンダは、ぴったり3回必要だろうと微笑んで、かかし、木こり、ライオンに、ドロシーと別れたらどうするかを聞きました。
3人の答えはこうです。
かかしはオズの後任として、エメラルドの国の支配者に。
木こりは、西で助けたウィンキーたちに請われて、西の国の支配者に。
ライオンは、ガトリングの国に来る途中で助けた獣たちから、森の王者として迎えられることに。
それを聞いたグリンダは、金の帽子の魔法を使って翼ザルを呼び、3人をそれぞれが暮らす国へ送り届けてあげると言いました。
そして、使い終わった金の帽子は、金の帽子の魔法に縛られている翼ザルの王さまに返してあげると言います。
ドロシーたちは南の魔女の優しさに感激しました。
そしていよいよ、ドロシーがカンザスに帰る時がやってきます。
実は、ドロシーが履いている銀の靴の魔法を使えば、すぐにでもカンザスに帰れるのでした。
ドロシーは泣きながらみんなにお別れの挨拶をして、グリンダに教わったとおり、銀の靴のかかとを3回打ち鳴らして叫びます。
「おうちのエムおばさんのところへ連れて行って!」
すると靴は、一瞬であの懐かしいカンザスの平原まで、ドロシーを運んでくれました。
ちょうど家から出てきたエムおばさんがドロシーを見つけ、「愛しい子!」と叫んで、ドロシーを抱きしめます。
こうしてドロシーは、ようやく大好きなおじさんとおばさんの家へ帰ることができたのでした。
まとめ
ドロシーが無事にカンザスに帰り、仲間たちがみんなオズの国の王さまになるハッピーエンドで、オズの魔法使いの物語は幕を閉じます。
オズの正体がただの人間であることや、仲間たちが王さまになるラストは、意外と知らなかったり、忘れていたという人も多いのではないでしょうか。
また、日本ではあまり有名ではありませんが、実はオズの魔法使いにはたくさんの続編もあります。
オズの魔法使いの著者であるライマン・フランク・ボームの筆によるものの他、違う作者によって書かれたもの含めると、その数なんと20作以上!
本編では結末が語られなかった、ブリキの木こりとマンチキンの娘の恋のお話などもあるんですよ。
日本でも翻訳版が出版されているので、オズの世界観に浸りたい人は続編含めてチェックしてみてくださいね。