お盆と終戦記念日って関係あるの?どちらも8月15日の理由とは
お盆と終戦記念日が同じ日なのは偶然?それとも理由がある?
毎年8月15日はお盆であり、同時に終戦記念日でもあります。
お盆と終戦記念日が同じ時期であることに、何か関係はあるのでしょうか?
どちらも死者を弔う意味が込められているので、関連があるようにも思えるのですが、結論から言ってしまうと、この2つの行事は無関係。
お盆と終戦記念日の日にちがかぶっているのは、単なる偶然なのです。
終戦記念日は、言わずと知れた第二次世界大戦集結の日。「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として定められました。
では、お盆はなぜ8月15日になったのか?その由来を紹介します。
お盆はもともとは7月15日だった
実は、お盆は最初から8月15日だったわけではありません。
お盆は正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)、または盂蘭盆(うらぼん)を略した言葉で、旧暦の7月15に日に行われる仏教行事です。
お釈迦さまのお弟子さんである目連の母親が地獄に堕ちてしまったとき、お釈迦さまの教えに従って母親を救ったのが始まりです。
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日本においてもお盆の歴史は古く、日本で最初に行われたお盆は朝廷の時代。推古天皇が606年に行ったのが最初だとされています。
その後お盆は貴族や武家などの上流階級に広まり、江戸時代からは一般庶民の間でも行われるようになりました。
この時のお盆の日にちは、お盆のルーツである盂蘭盆会の日にちに従い、旧暦の7月15日です。
今のように8月15日に変わったのは、明治時代の改暦がきっかけでした。
明治時代の改暦により、お盆が8月15日へ
江戸時代までは旧暦7月15日だったお盆は、明治以降の改暦によって変化します。
改暦により、カレンダーが旧暦から、現在私たちが使っている新暦へと切り替えられました。
ですが改暦直後はまだ新暦が国民に定着しておらず、東京などの一部を除いてしばらくは旧暦にお盆が催されていました。
しかし、旧暦の7月15日というのは新暦に直すと8月7日~9月6日のあたりになり、毎年異なってしまいます。
新暦に人々が慣れてくると、年によってお盆の日付が異なることに不便を感じるようになり、新暦の7月15日の1ヶ月後の8月15日をお盆とするようになりました。
また、新暦の7月は農業の繁忙期であり、忙しい最中にお盆を行うより、8月のほうが都合がよかったことも大きな理由です。
こうしてお盆の時期が8月にずれた結果、偶然にも終戦記念日と同じになったというわけです。
旧暦のお盆から月遅れのお盆への移行は明治から大正にかけて行われましたが、実際に普及しだしたのは終戦後の昭和30年から40年にかけての新生活運動の一部です。
この期間にお盆のみならず様々な行事が新暦に本格的に移行されていきました。現在私たちが使っているカレンダーや行事は、この時に定着したんですね。
ちなみに、全国的には8月15日のお盆ですが、改暦当時にいち早く新暦に対応した東京では、現在も7月にお盆の供養を行っているんですよ。
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関係ありそうで、実は無関係だったお盆と終戦記念日。
でも、ご先祖さまを敬う気持ちも、平和を祈る気持ちも、どちらも忘れず大切にしたいですね。