電話のビジネスマナー。帰宅した社員のことは、どう伝えるのが正解?
電話で指名された社員がすでに帰宅。そんな時の言葉遣いは…?
電話のビジネスマナーで悩んでしまう場面のひとつが、指名された社員がすでに帰宅してしまった時。
帰宅したと言ってもいいのかな…?
帰りましたとそのまま言うのは失礼だよね…?
さて、社員がもう帰ってしまった時は、どのように電話応対するのが正解なのでしょうか。
社員が帰宅してしまっている場合の電話のビジネスマナーを解説します。
電話のあった社員が帰宅したことは、伝えてもいい?
まず最初の問題は、社員が帰宅してしまったことを伝えてもいいかどうか。これは、時間帯や会社の方針、相手との関係によって判断が異なります。
一般的な対応は、早退など営業時間内での帰宅あれば外出中の扱いにし、会社の定時を大幅に過ぎている場合には帰宅した旨を伝えるもの。
電話をかけてきた相手がまだ仕事をしているのに、こちらが帰宅してしまったとなると、相手に不信感を与えたり、悪印象を持たれたりしてしまうからです。
電話で帰宅を伝える時の、正しい言い方は?
次に問題となるのは、「帰宅」を伝えるための正しい敬語。実際のフレーズと一緒に、どんな言い方が良いのかを見ていきましょう。
× 「本日は帰宅いたしました。」「○○は帰ってしまいました。」
△ 「○○は退社いたしました。」
○ 「本日は失礼させていただきました。」
電話をかけている人はまだ仕事中。事実であっても、「帰宅」「帰った」とストレートに言うのは、ビジネスシーンの言葉遣いとしてはふさわしくありません。
「退社いたしました。」という言い方は、日本語的には間違いではないのですが、誤解を持たれやすいので、あまりおすすめはできません。
退社という言葉には、その日の仕事を終えて帰宅するという意味の他に、会社を退職するという意味もあります。「え、○○さん退職しちゃったの!?」と取られてしまうことも多く、誤解を招きます。
相手によっては「この子、言葉遣いを知らないんだな」と思われて、あなたや会社の評価が下がってしまうことも。
たとえ日本語としては正しくても、そう思わない人も多い以上、わざわざリスクを取る必要はありません。
どうしても使いたいなら、「本日は退社いたしました。」「本日は退社いたしました。明日は9時に出社予定です。」となどと、意味を明確にして使いましょう。
誤解なく適切に帰宅したことを伝えられるのは、「本日は失礼させていただきました。」という表現。
○○さん、もう帰っちゃった!という状況でも慌てず、スマートに「失礼させていただきました。」と言えるようにしてくださいね。