「大人のADHD」自己診断チェックリスト15問
「もしかして、ADHDってやつ?」と思ったら…
不注意、集中力の欠如などの症状があるADHD。
以前は子供に特有の障害だと思われていましたが、最近は成人してからもADHDの症状が継続する「大人のADHD」の存在も認知されるようになってきました。
「自分もADHDなのでは?」
「何度注意してもミスする部下、もしかしてADHD…?」
そんな疑問を簡易的にチェックできる、大人のADHD診断チェックリストを紹介します。
ハロウェルとレイティの大人のADHD診断基準
次のチェックリストはアメリカで開発され、臨床現場でも使われている、ハロウェル(Edward M. Hallowell)とレイティ(John J. Ratey)による大人のADHD診断基準です。
20項目中15項目以上が当てはまる場合、大人のADHDである疑いがあります。
- 達成感を感じられない、実際にはやれていても同じように達成感がない
- 整理整頓や計画的な行動が苦手
- 物事を先延ばしにする、やるべきことになかなか取りかかれない
- たくさんの事を同時進行するが、どれもちゃんと終わらない
- 状況やタイミングを読まずに、思いついたことをその場で言ってしまう
- 強い刺激を求めている
- 退屈に耐えられない
- 気が散りやすく集中できない、読書中や会話中に上の空になる、驚異的な集中力を発揮することも時にはある
- 創造性、直感、高い知性を示すことがある
- 決められた手順や適切な手続きを守ることが苦手
- 気が短い、ストレスに我慢できない
- 言葉や行動が衝動的、例えばお金の使い方や計画の立て方、新しい物事や転職など
- 心配症で、無用の心配を延々とする
- 不安感がある
- 気分が変わりやすく不安定、人やプロジェクトから離れた時には特にその傾向が強まる
- 落ち着きがない
- 何かに依存する傾向がある
- しばしば自己評価に問題がある
- 正確な自己観察ができていない
- 家族や親族にADD(多動症候群)、躁うつ病、薬物乱用、その他気分障害などの精神疾患の既往歴がある
これ以外に、子供の頃にADD(多動症候群)と診断された、精神医学的に説明のつかない問題を抱えているなどの場合も、大人のADHDである可能性があります。
大人のADHDの疑いが強い時は…
ADHDは、子供の頃の様子や現状などを総合的に見て診断されるものです。このチェックリストのみでは、ADHDの診断を確定できるものではありません。
しかし、チェックリストの大多数が当てはまるという人は、やはり大人のADHDである可能性は高いでしょう。
ADHDの疑いが強い場合には、精神科、精神神経科、心療内科などで専門的な診断を受けることをおすすめします。
ADHDは性格や教育の問題ではなく、脳に起因する生まれ持った性質のため、治すということはできませんが、薬や心理療法による治療で、不注意やミスを大幅に改善することは可能です。
いきなり病院に行くことに抵抗がある場合は、自治体の精神保健福祉センターに相談をしてみるといいでしょう。
公的施設なので無料で利用でき、電話や面談でメンタルヘルスケアの相談に乗ってもらうことができます。