子供のうつ病が増えている。子供うつの症状と対処方法
うつ病になるのは大人だけじゃない!急速に増える子供のうつ病
最近の子供は大変だなあ…と思ったことはありませんか?
生まれた時からデジタル世代で早熟な現代っ子たち。
学校に塾に習い事に人間関係に…と、大人顔負けの忙しさとストレスにさらされている子供も、決して少なくありません。
そんな中で急増しているのが、子供のうつ病。
子供は自分の症状を上手に伝えられないので、親や周囲が見過ごしたまま、うつ病の症状が悪化してしまうことも。
子供のうつ病のサインや症状は?
もし子供がうつになってしまった場合はどうすればいい?
子供のうつ病の症状や対処、治療方法についてまとめました。
子供のうつ病の特徴と症状。大人のうつ病との違いとは
子供のうつ病は、大人のうつ病と比較して、身体的な症状が強く出るのが特徴です。子供のうつ病に多く見られる身体的症状は次のようなもの。
- 食欲の低下、あるいは異常に食欲が増える
- 体重が減る、あるいは増える
- 寝付けない、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害
- 朝は具合が悪く夜は調子が良いなど、1日のうちでの体調の変動
- 頭痛、腹痛、倦怠感などの身体症状
小学校高学年以降くらいになると、次のような症状・行動が表れる子供が多くなってきます。
- 集中力が低下し、学校の授業や勉強に集中できない
- 意欲が低下し、家で1人でいたり、人と話したがらないことが増える
- 突発的に泣き出す、外出する、乱暴をふるうなどの問題行動を起こす
子供は憂鬱や落ち込みなどの気分を言葉でうまく伝えることができないため、気持ちを表現できなかったり、うまくコントロールできないイライラやもどかしさが、これらの行動として表れてきます。
特に、発達障害のある子供はうつ病になりやすく、上記のようなサインが出たら、大人が早めに気付いて対処してあげることが大切です。
子供の頃に、うつ病の適切な対処が受けられなかった場合、成人になってからのうつ病の再発率が高いと言われています。
子供がうつ病かもしれないと思った時の対処方法
子供のうつ病は、まず身体的症状から出ることが多く、多感な時期でもあるため、子供がうつ病かどうか、親にとってもなかなか判断が難しいもの。
目安として、子供のいつもの学校生活や友人関係、体調に2週間以上支障をきたしている場合は、病院や専門機関で相談に行ってみるのがいいでしょう。
ただし、「生きていてもしょうがない」「死ぬとどうなるのかな」など、子供が死に関する言葉を口にした時は、早急な対処が必要です。
うつ病から来る子供の自殺や自傷行為は、突発的かつ自宅など身近な場所で起こるという特徴があります。大人のように悩んだ末にではなく、単に気晴らしにいつもと違うことをしてみよう、試しにやってみようという短絡的な行動が、自殺につながってしまうためです。
もし子供が死を考えるような言葉や行動を見せたら、すぐに専門家に相談するようにしましょう。
子供のうつ病は精神科や心療内科、児童期の子供であれば小児科でも相談と受診が可能です。
あるいは自治体の精神保健福祉センターで相談するという方法も。精神保健福祉センターは全国の都道府県に設置が定められている施設で、心の問題の相談や支援にあたっています。
電話相談も可能なので、病院に行くことに抵抗がある場合や、どこへ行ってよいかわからない場合には、一度問い合わせて話を聞いてみると良いでしょう。相談内容に応じて、適切な医療機関の紹介も受けられます。
子供のうつ病の治療方法
子供のうつ病の治療方法は、大人のうつ病治療とほぼ同じ。休養、薬物療法、精神療法などを組み合わせて行われます。
大切なのは、まずゆっくり休ませてあげること。うつ病の子供は心身ともにガソリン不足の状態なので、自分で動きたくても動けず、誰よりも本人がもどかしい気持ちを抱えています。
そんな時に、下手に励ましたり、無理に頑張らせるのは逆効果。「○○しなさい」と子供に要求するのではなく、子供の状態に共感し、寄り添うことを心がけましょう。
休養やカウンセリングだけでは症状が改善しない場合には、抗うつ剤、精神安定剤、睡眠剤などの薬が処方されます。
自身がうつ病になったことのない親御さんにとって、子供のうつ病を理解するのは難しいかもしれませんが、うつ病は誰にでも発症する可能性のある、れっきとした病気です。
なぜこの子が、自分の育て方が悪かったのか、心の病は気持ちの問題では…
と、親御さん自身の悩みも尽きないでしょうが、自分や子供を責めるのはやめましょう。今すぐ何とかしなければと焦れば焦るほど、子供にもその気持ちは伝わり、プレッシャーやストレスを与えてしまいます。
1人で悩まず、専門家の力を借りながら、ゆっくりと子供を見守ってあげてくださいね。