インフルエンザの薬イナビルって?気になる副作用や異常行動について解説

インフルエンザ用の吸入粉末剤「イナビル」って?

インフルエンザの薬イナビルの容器の写真イナビルは、タミフル、リレンザに次ぐ世界で3番目のインフルエンザ治療薬。治療だけでなくインフルエンザ予防薬としての効果もあります。

第一三共が開発し、2010年より発売を開始。純国産のインフルエンザ治療薬として期待と注目を集めています。

でも、新しい薬を飲む時には不安もつきもの。特に、タミフルなどは副作用の問題が大々的に報じられたこともあって、どんな薬なのか気になってしまいますよね。

インフルエンザ治療薬イナビルについて、その特徴や独特の使い方をまとめました。

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インフルエンザ治療薬イナビルの特徴

イナビルはインフルエンザA型・B型用のインフルエンザ治療薬。第一三共が開発した純国産の薬です。

ちなみにインフルエンザにはC型もありますが、こちらは子供にしか感染せず、症状も鼻風邪のようなもので、A型・B型のような重症化や感染拡大はしません。一般にインフルエンザというとA型かB型のどちらかのことです。

イナビルはカプセルや錠剤ではなく、吸入剤。サイズも形も目薬によく似た容器の中には粉末が入っており、それを口で吸って服用する、独特の服用方法です。

イナビルの最大の特徴は、薬の効果が長く、服用が1回だけで済むこと。同じインフルエンザ治療薬の「リレンザ」も吸入するタイプの薬ですが、1日2回×5回の服用が必要です。

その点、イナビルは1回の服用だけでOKなのが大きな特徴。平均して3日ほどでインフルエンザが治癒し、治療効果も今までの薬と遜色ありません。

10代には処方できないタミフルと違い、処方の年齢制限はありません。臨床開発試験では3歳の乳児でも服用しており、基本的には全年齢でイナビルの服用が可能です。

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イナビルの副作用は?安全性は?

一般に、吸入薬は薬が全身に作用することがないため、飲み薬に比べると副作用が少ないタイプの薬です。

イナビルの場合も重篤な副作用の報告はなく、今のところ安全性の高い薬とされています。処方年齢制限がなく、子供にも処方可能な点からも、安全性が高いことがうかがえます。
イナビルの副作用として一番多く見られるのは下痢などの胃腸障害。治験の段階では、被験者の4.7%に胃腸障害の副作用がありました。

妊婦への処方については十分な臨床実績がなく、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ投与可能とされています。

イナビル服用で子供に異常行動は起こらない?

インフルエンザの薬というと、一番心配なのは異常行動。イナビルの異常行動について報告されたデータを紹介します。

イナビル開発元の第一三共、イナビル投与による小児の異常行動の試験結果を次のように公表しています。

  • 10代 … 5.0%
  • 9歳以下 … 2.4%
  • いずれも重症度は軽度
  • イナビル投与との因果関係を否定できない副作用として、276件中1件ずつ、異常行動(記載がないため詳細不明)、泣き、脈絡のない会話、せん妄があった

2012年、川崎医科大学教授の中野貴司氏らが、イナビル投与による異常行動の分析結果を発表しました。

それによると、イナビルで異常行動を起こすのは男性が多く、特に多いのは10代。さらに、イナビル投与2日以内に異常行動が発生する傾向があるとされています。

こうした異常行動は、薬の投与が原因ではなく、インフルエンザそのものが原因である可能性があり、イナビルが原因であるかどうか現時点では不明です。

ただ、異常行動の発生がゼロではない以上、イナビル使用後2日間は患者を1人にしないことが事故の予防につながると考えられます。

インフルエンザ治療薬服用による異常行動の80%は睡眠中と寝起きに発生

イナビルやタミフルなど薬の種類を問わず、インフルエンザ治療薬を使用した小児に異常行動があったという報告は毎年寄せられています。

ですが、実はそれが本当にインフルエンザ治療薬の影響によるものかどうかは、未だにハッキリはしていません。

厚生労働科学研究「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」でも、インフルエンザ治療薬の投与と異常行動には、特定の因果関係は認められないと結論しています。

もともと異常行動の素質があった子供が、たまたまインフルエンザ罹患中に異常行動をしたという可能性もあるわけです。

一方で、異常行動の薬80%は睡眠中もしくは寝起きに発生していることがわかっています。子供にインフルエンザの薬を使う時は、睡眠中と寝起き目を離さないようにすることで、異常行動を抑制できる可能性があると考えられています。