髪の毛の静電気の取り方4つ。防止グッズなしでも大丈夫!
フワフワさせない!髪の毛の静電気対策
秋冬にコートを脱ぎ着した時や、髪をとかした時、髪の毛が静電気でフワ~っと広がってしまう!
そんな悩みを持つ女性、けっこう多いのではないでしょうか。
静電気で浮いた髪の毛が顔にもくっつくし、ヘアスタイルは崩れるしで、本当に困りますよね。
あの困った静電気は、どうしたら消えてくれるのか?
実は、髪の毛の静電気を防止するのは、そんなに難しくありません。
ちょっとした工夫で、劇的に減らすことができるんです!
簡単にできて効果が高い、髪の毛の静電気対策を紹介します。
目次
髪にハンドクリームを付ける
今すぐ髪の毛の静電気を落ち着けたい!
そんな時は、ハンドクリームを髪の毛に付ければあら不思議、静電気もフワフワも瞬時に収まります。
べったり塗り付ける必要はなく、手のひらに伸ばしたハンドクリームで、髪の毛をなでるようにしてなじませればOK。
ハンドクリームを持っていない時は水でもかまわないのですが、水の場合、蒸発するとまた静電気が起きてしまい、効果は長くは続きません。
蒸発しにくい保湿成分の入ったミストローションであれば、ハンドクリーム同様の静電気防止効果があります。
このハンドクリームを使った静電気対策、もちろん毎日行っても問題はないですが、年中ハンドクリームを髪に塗っているのも、ちょっと不自然ですよね(^_^;)
もっとおすすめなのは、普段のヘアケア時から静電気対策をしてしまうこと。
その方法を次に紹介します。
トリートメントでヘアケアする
日頃からできる静電気対策とは、トリートメントでヘアケアすること。
後ほど詳しい理由を説明しますが、髪の毛に静電気が発生する1番の原因は、髪の毛の乾燥。
パサパサ傷んだ髪は、とても静電気が発生しやすいのです。
たかがトリートメントと侮るなかれ、1回のケアでも静電気防止効果を実感できますよ。
特におすすめは、髪の毛の補修効果が高く、静電気対策にも即効性を発揮する、洗い流さないタイプのトリートメントやヘアオイル。
髪がサラツヤになり、静電気も防止できて一石二鳥なので、女性はぜひ試してみてくださいね。
さて、ここまでは直接髪の毛をケアする静電気対策でしたが、ここからは、髪の毛以外で静電気を防止する方法2つを紹介します。
着る服の素材・組み合わせを変える
静電気の起こりやすさは、着ている服の素材にも関係があります。
静電気が発生しにくいのは、綿やシルクなどの天然繊維。
反対に、化学繊維(化繊)は帯電しやすく、静電気が発生しやすい素材です。
また、あまり知られていませんが、服の素材の組み合わせも、静電気には大きな影響が。
布類には、プラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものがあります。
静電気はプラスとマイナスの電気が反応して起きるものなので…
プラス素材同士なら静電気は起きませんが、プラスとマイナスの相反する性質の素材を身につけると、静電気が発生しやすくなってしまうのです。
具体的に、どの布がどんな性質なのかを表したのが、こちらの図。
この図で、距離の離れた素材の組み合わせほど、静電気が起こりやすくなります。
例えば毛皮と絹の組み合わせは、静電気的には最悪ということですね。
でも、毛皮とウール、綿と絹のように、隣同士の組み合わせならば、静電気は起こりにくいということです。
先にお伝えしたように、化繊より天然素材のほうが静電気は起こりにくいので、静電気を防止するなら、衣類は綿や絹で統一するのがベスト。
静電気体質の人は、着ている服の素材も、一度見直してみるといいですよ。
部屋の湿度を上げる
冬に静電気が起きやすいのは、皆さん体感していると思いますが、これは冬の空気が乾燥していて、静電気を発生させやすいから。
つまり、乾燥をなくせば静電気の原因も取り除けるわけなので、部屋を加湿することは、静電気対策として非常に有効です。
静電気を防ぐのに必要な湿度は、50%以上。
加湿器を使って50%以上まで部屋の湿度を上げれば、電気が髪の毛に溜まらず空気中に逃げてくれるので、静電気が起こりにくくなります。
オフィスなどで、空間全体を加湿するのが難しい時は、ペットボトルをセットしたり、パソコンにUSB接続して使えるミニ加湿器がおすすめです。
最近はコーヒータンブラーや香水ボトル型など、可愛らしいデザインのパーソナル加湿器もたくさん出ているので、お気に入りを探してみるのも楽しいですよ。
さて、髪の毛の静電気対策として、ハンドクリーム、トリートメント、服の素材、加湿の4つの方法を紹介してきました。
でも、なぜこれらの方法で静電気を防止できるのでしょうか?
電気のプラスマイナスや、乾燥が静電気に関わっていることには少し触れてきましたが、この点についてもう少し詳しく説明します。
静電気の原因は「乾燥」だった
静電気発生のメカニズム
静電気は、摩擦によって発生する電気です。
物体にはプラスとマイナスの電子がありますが、通常はバランスが取れて中性を保っています。
でも、この電子はガッチリ固定されているわけではなく、摩擦が加わると、持ち場を離れて移動することが可能。
物体にはプラスを帯びやすい性質のものと、マイナスを帯びやすい性質のものがあり、摩擦で自由になった電子は、自分と同じ性質を持った物体にくっつこうとします。
電子が移動すると、今まで中性だった電子のバランスが変わり、強いプラスの電気を帯びた物体と、強いマイナスの電気を帯びた物体ができます。
プラスとマイナスは引かれ合うので、2つの物体が近づくと、中から電子が飛び出して電気が発生!
これが静電気の正体です。
静電気というと、弱い電気というイメージがあるかもしれませんが、パチっと火花が散る時のエネルギーは、なんと5000ボルトにも達します。
静電気の「静」とは、電気が弱くて静かだという意味ではなく、電子が動かない電気という意味。
通常の電気は、電子が移動して電流となって流れることで起こりますが、静電気は電子の移動が起こらず、その場に溜まっていた電気が放電されると、それで消えてしまうからです。
確かに、静電気がパチっと来るのは一瞬で、ずっとビリビリと電気が流れるわけではないですよね。
さて、以上が静電気発生のメカニズム。
では次は、発生した静電気がパチっとなる前に消すにはどうすればいいのかを見ていきましょう。
静電気は水分に弱い
静電気は湿度が低く、乾燥している時ほど発生しやすくなります。
反対に、水分が多く湿度が高い環境では静電気は発生しにくいということ。
これは、水の分子には静電気を奪い取る性質があるため。
水分が多い環境では、静電気は髪の毛に留まることが出来ず、どんどん空気中に逃げていくのです。
空気の乾燥する冬に静電気が起こることが多いのは、空気中に水分が少ないので静電気を体外に逃すことができず、体に電気が溜まってしまうからなんですね。
ここまでに紹介した静電気対策は、方法こそ違えど、身体や環境を保湿して水分を守るという目的は一緒。
ハンドクリームやヘアケアは直接髪の毛の水分を守り、服の素材や加湿器は周囲の水分を守ります。
服の素材と水分についてはピンと来ないかもしれませんが、化繊よりも天然繊維のほうが水分を維持する力に優れているので、帯電しにくいのです。
髪の毛の静電気を防止する方法まとめ
では最後に、静電気を防止する方法についてまとめますね。
- ハンドクリームを髪に付ける
- トリートメントやオイルでヘアケアする
- 化繊より天然繊維の服を着る
- 静電気が発生しにくい服の素材を組み合わせる
- 加湿器で湿度を50%以上に上げる
静電気対策のポイントは、水分や湿度を保つことでした。
乾燥していると静電気が発生しやすいという理屈でいくと、乾燥肌の人は静電気体質ということになりますが、これは実際、その通り。
髪の毛を含む全身を保湿することも有効な静電気対策になるので、静電気に悩まされている人は、スキンケアやボディケアにも力を入れてみてくださいね。
髪の毛の静電気はもちろん、ドアノブを掴んだ時のパチっ!も防げますよ。
参考文献)
電気のことがわかる事典(西東社)
知っておきたい化学の豆知識(Kagaku-Dojin Publishing Co)
図解入門はじめての人のための電気の基本がよ~くわかる本(秀和システム)
雑学大学(PHP研究所)
理科ひらめき実験工房 身近なふしぎを科学する(国土社)